「人生に無駄なことなどない」
そんな言葉を聞いたことはありませんか?
昔はSNSでもテレビでも、なかなかの頻度で出ていた言葉だったのですが、最近はあまり見かけなくなりました。
どんな勉強にせよ、仕事にせよ、趣味にせよ、いつかどこかで役に立つ。そんなニュアンスで私は受け取っています。
もしかしたらこの言葉が、今は根性論のように受け取られて、言われなくなったのかもしれませんね。皆さんはこの言葉に、どういうイメージを感じますか?
でもね、私も昔は、この言葉があまり好きではなかったんです。
勉強にしろ、仕事にしろ、手渡されたとたんに「あとは自分で考えろ」となる。確かに自分の頭で考えることは、とても大事なことです。会社勤めを辞めて、自分で仕事を取りに行くようになった今だと、よりそう思います。
ですが最初の頃は苦労しました。何といっても「土台」がないですからね。
自分で考えるための土台。理由。バックボーン。これはどういうもので、何の役に立ったのか。
そういう思考の「土台」となるものが曖昧なのに、その上に立とうとするのですから、安定しないのは当然です。崩れて転んで、頭を抱えることは何度もありました。
私は会社勤めだった頃に、インターネット通販を任されたことがあります。
ただ、これが酷くて。何も分からない人間に「基本だけは外部で作るから、あとは全部まかせた」だったんですから。
その通販サイトはワードプレスで作ったもので、その当時、それについて私はまったく知らなかったのです。
上司からは分からないことは「ググってググって」と言われました。仕事でネットスラングを使うなよ……などと乱暴な言葉を返したくなりました。
やるしかないので、インターネットで調べつつ、何とか形にし。商品の写真を撮って並べ、注文が来たら対応し梱包して発送、そして入金確認……。
それを全部私1人でやったのです。とんでもない忙しさで、頭がおかしくなりそうでした。ストレスで突発性難聴まで発症してしまったくらいです。
だから当時、ワードプレスも通販サイトも、目に入れるのも嫌なくらい拒否反応が出ていたんです。
その会社を辞めて、しばらくしから、ブログをやってみようかな……と調べて、一番自由に作れるのがワードプレスらしいと聞いて始めました。通販サイトをいじっていたおかげで、すんなり作ることができ、その時に「人生に無駄なことなんてない」という言葉を思い出しました。
人生に無駄なことなんてない。確かにそうです。
そこへ辿り着くまでに、だいぶ苦労はするかもしれませんが、意外と、何てことなくできることが、人生の役に立つかもしれませんよ。