「他の部署はもっと大変だよ」という言葉の罠

本日、友人と食事に行ってきました。お互いに休みが合わず、半年ぶりくらいの再会でしたが、楽しい時間を過ごせました。その最中に、ふっとお互いの仕事の話になったのですが、彼女からこんな話を聞きました。彼女は今いる部署が辛く、異動か、もしくは退職を考えているそうです。その事を上司に相談した所、こう言われたそうです。

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他の部署はもっと大変だよ

仕事内容が彼女にとっては大変で辛い、という事を上司に相談したら、「他の部署はもっと大変だよ」「他の人達はもっと辛いよ」という返し方をされたと聞きました。

確かに他の部署や他の人達にも、それぞれ大変さや辛さがあるでしょう。でも仕事内容や、その仕事に対する辛さ・大変さの感じ方もまた人それぞれです。ですが相談しているのは、「私がこの部署でこういう事が辛いんです」という事なんですよね。他の部署の大変さについては、彼女の相談には関係がないのです。

不安を煽るという傾向

割とこういう、他を悪く言って、今いる位置をさも良い物であるかのように話す、という事があります。退職なり、異動を希望する時なり、その機会は色々ですが、相談に対する答えとしては全く見当違いだな、と思います。事実であれ、思い込みであれ、相談した部下の不安をあおってどうするのかと思うんですよね。

確かに上司は彼女のためを思って答えたのかもしれません。尖った見方をすれば、自分の評価を下げないように動いたのかもしれません。ですが、改善策を取る事もなく、帰って来たのは「他の方がもっと辛いよ」という答えだったそうです。

本当に他は大変なのか?

私も数回職場を変わった事がありますが、彼女の上司の言うように「他はもっと大変だよ」という事があったのかどうか、という話をしますと、「そんな事はないよ」という結論になります。

他が大変かどうかというのは、仕事内容が合うか合わないか、新しい環境に慣れたか・人間関係は良好かどうかというような事を、その人の基準で曖昧にぼかしてまとめているだけなんですよ。

転職後にそれが分かるのは、三か月~一年くらいなんです。人間関係は一年くらいいると、そこにいる人がどういう人で、どう対処すれば良いのかも分かって来ますし。ブラック企業だったらもっと早いとは思いますが、そうでなければ数日で判断はしづらい事なんですよね。

それを知るという意味でも試用期間がある

そういう意味でも試用期間があるんです。試用期間は企業が新入社員を見ている、だけではなく、新入社員もまた企業を見ている期間です。その三か月で判断するのも良いでしょうし、もうちょっと頑張れるなら失業保険が受け取れる一年以上は働いてみるのも良いのでは、と思うのですよ。