ゴツボ☆マサル先生の『ロムセン・サーガ』を読みました!

ゴツボ☆マサル先生のRomsenSaga(ロムセン・サーガ)を読みました。
こちらの作品の表紙を見た時の第一印象が「あれっ何か見た事あるぞ……!」だったのですが、そう、ロマンシングサガ~サガフロンティア2までの表紙にそっくりなのです!
見た瞬間に懐かしさがぶわっとやって来て噴きました。
大丈夫なのかと一瞬思いましたが、大丈夫、こちらのスクエニさんの所で連載されていたので問題なしでした(笑)
さすがスクエニさんやで……!

さて、そんなロムセン・サーガですが、こちらは一般的にRPGの王道主人公達の物語――――ではなく、その王道主人公達の裏側で生きる脇役達の物語です。
最強の門番だったり、無敵のトレジャーハンターだったり、エルフの里の少年だったり、肩にとげを生やした武器屋だったり、とにかく色の濃い脇役達が活躍する物語。
彼らの物語が語られる代わり、王道主人公達の話はほとんど描かれません。
びっくりするほどに断片的です。
表紙にも描かれているのにも関わらず、これは彼らの物語ではありません。

そしてそんな物語を綴る語り部もまた、本編に一切絡んできません。
本当に一切絡んできません。語るだけです。
この何とも言えないバランスが良い味を出しておりまして絶妙な面白さを醸し出しているんですよ……!

そんな彼らがラストに向けてそれぞれの事情で集合していく様子は胸が躍りました。
伏線が一つずつ絡まり合って行くんですよ、すごい……!
彼らは彼らの事情で動いて、彼らの事情で色々あれこれするんですが、それが一つにまとまった時に起こる変化は本当に見事でした。
読み終わった時にまだまだまだまだ続きが読みたいな、と思える作品です。

>Romsen SaGa(1) [ ゴツボ☆マサル ]

ロムセン・サーガは五巻で完結するのですが、非常に中身が濃く、キャラクターごとに存在する複数の物語を一度に読ませてくれる為に、大変満足度が高かったです。
この発想はなかった、と思わせてくれるストーリー展開は本当に面白かったです。
細かい所を見ているとあの部分とこの部分が意外な所でリンクしていたという事が色々あり、それを追ったり、その部分を読み直しては「あー、あったあった!」と発見する喜びも得られました。

創作好きな自分としては、ファンタジー小説やRPGで言うところの『主人公』以外のキャラクターにも物語があるのだというものを改めて認識させてくれた作品です。
こういう着眼点が出来るというのがゴツボ☆マサル先生の凄い所だなぁと思いました。