古見さんはコミュ症です。を読みました。

オダトモヒト先生の古見さんはコミュ症です。の1巻と2巻を購入しました。
ネットで注文したのですが、どこも売り切ればかりでなかなか手に入らず……待って待ってようやく届きました嬉しい。

この作品を知ったのはニコニコ動画の漫画のサービスなんですよね。面白い作品がないかな、と思いながら覗いた時に、ピックアップされていたのを見て覗きに行きました。

コミュニケーションが苦手なヒロインの古見さんと、主人公の只野くんを中心にした、ほのぼのとした中にピリリとした胸の痛みが混ざったコメディ漫画です。
只野くんと古見さんの間の学生らしいやり取りや雰囲気が読んでいて心地良いんですよね。

この作品、キャラクターごとに個性と、個性に合わせた名前がつけられているのですが、これが本当に面白くて。
例えば主人公の只野くんは、その名前の通り「普通」の人。テストの点も身体能力もごくごく普通の平均点。
でも只野くんは普通だからこそ、他人に対して普通に気遣いが出来るし、普通に接する事ができる。
普通ってよく個性がないとか言われる事があるじゃないですか。でも普通の事を普通に出来るからこそ只野くんは普通に格好良いんですよね。

普通に出来る気遣い。
その中で私が一番好きなのは第六話の「謝りたいんです」なんです。
自分のせいで只野くんに色々迷惑をかけたと古見さんが黒板に書いて謝るシーンがあるのですが、そこで只野くんが黒板を使って古見さんに話しかけるんです。

言葉が無く、ただただ黒板に文字を書かれる『会話』。
2ページまるまる使ったこのシーンは、漫画であるにもかかわらず純文学に似た美しさを感じました。控えめに言っても大好きです。
ただただ美しく、優しく、魅入ってしまいました。

この作品はコメディの中に時々純文学のようなシーンが挟まれまして、第六話以外にも第30話の「雨です」も素敵なんですよ。
雨の日、只野くんがなじみちゃんに傘を持って行かれて困っていると、古見さんが一緒に行きましょうと誘う(しゃべりませんけどね)のですが、古見さんが濡れないように傘の位置を考えたり、車の水飛沫が飛ばないようにさり気なく道路側に立って歩いたりと、押しつけがましくないさり気ないやさしさを描いているんです。

コメディの方は『個性』というものを全面に描いているため、苦手かなと思う方もいるかもしれません。
けれどとにかく所々で挟まれる純文学のように描かれるシーンが本当に素晴らしくて、凄い漫画家さんだなと思いました。続きが楽しみです。

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