仕事を辞めたい、うつ病になる前に逃げるのは甘えじゃない

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社会人になって感じた理想とのギャップ

子供の頃、私は「大人って好きにお金が使えて、好きに遊べて良いな」「早く大人になりたいな」とずっと思っていました。テレビドラマでも、楽しい職場の事ばかりを描いている作品を好んで見ていたので、そういうものだと思っていました。ですが、実際に社会人になって感じたのは「楽しいというのは自分の努力だけではどうにもならない」という事でした。

馴染もうと頑張った結果、馴染めなかった

社会人に出ると、学生時代とは違って、様々な年代の人と一緒に仕事をする事になります。学生時代に部活動をしていた人ならば分かるかもしれませんが、そこには必ず上下関係や、先輩、後輩などの関係が存在します。その中に上手く溶け込み、馴染むことが出来れば、仕事は辛くとも、きっと楽しく過ごすことが出来るでしょう。

ですが、転職したあと、私にはそれが出来ませんでした。もともとは前の会社が倒産した事によって転職を余儀なくされ、なかなか仕事も決まらず、減って行く貯金を見ながら早く次を決めなければと焦った末に、内情も分からずに転職したのが悪かったのだと思います。会社の方針や考え方がどうしても合わず、上司や同僚が怖くて、だんだんと他の部署の人達の目まで自分を責めているようで、怖くなってしまいました。

きっかけは、祖母の葬儀でした。その時に面と向かって「迷惑だった」と言われた事が、祖母の死と合わせて相当ショックだったのだと思います。それから体調を崩す事が増え、精神も不安定になり、仕事の凡ミスも増え、酷い時には涙が溢れて止まらなくなっていました。恐らく、うつに近い状態になっていたのでしょう。自分がどうしてこんな事になったのか分からず、ただただ辛い、もう嫌だと言いながら、毎日仕事に行っていました。

退職するか、続けるか

何度も何度も退職を考えては「それでも収入がなくなるのは怖い」「辛くてもここに来ていれば給料がもらえる」「こんな私が転職出来るか分からない」そう思って、言い出せずにいました。十年後に自分がそこで働いている姿を想像して、するっと「地獄だ」と思ってしまうくらいなのに、不安で不安で仕方なかったのです。

それに時々ふっと軽くなって「あ、大丈夫そう」だと思う事もあるのですが、数日後にまた不安定になるという事を何度も繰り返し、自分を誤魔化して、何とか一日、また一日と、悩んでいる内に時間は過ぎ、あっという間に月も変わります。

そんなある朝、会社に出勤した時に何もなかったの涙が溢れて止まらなくなった時、私はようやく「退職しよう」と決めました。自分はダメになりかけているのだとはっきりと分かりました。このままここで働き続けたとして「もっと駄目になったらどうしよう」と思ったのです。その勢いで、上司に退職を願い出ました。心療内科の予約もしていたので、その様子を聞いて、という事でその場での話は終わりました。

副業を本格的に始めるようになった

退職を決意したあと、やはり収入面にとても不安が出てきました。退職をなかったことにしたい、と申し出たいくらいの不安です。退職しなければもたらされる安定を、自ら捨てるのです。それは想像以上に怖い事でした。次の転職先すら決まらないまま、ただただ退職させてくれと願ったのです。

この不安はどこから来るのか。そう考えた結論にあるのはやはり「お金」の問題でした。「宝くじであたったら会社を辞める」「お金の不安がなければ辞める」という話を良く耳にしますが、まさにそれです。国民年金、住民税、自動車税、それに加えて車のローンもありました。とにかくお金がかかる事が、退職をする上で一番の後悔になるのです。

その不安はどうすれば払しょくできるのか?それはもちろん、お金でした。少しでも不安を取り除くために、今までたまにしかやっていなかった副業を本格的にスタートする事にしたのです。それが先日の記事でライティングの仕事ですね。

もともと私は、将来は文字書きになりたいと思うくらい、文章を書く事は好きでした。しかし幾ら好きでもライティングの仕事は勝手が違う。なので手探り状態でした。ですがやってみない事にはどうにもならない、という事で、色々と案件に応募してみる事にしたのです。最初は難しいですが、書けば書くほど上達できますよ。私のおすすめはサグーワークスさんや、クラウドワークスさんですね。





目標を決める

まとまったお金を稼げるようになるまでは、文章を書いて生活していく、という事は難しい。けれど再び転職する事はまだ怖い。どこまで出来るか分かりませんが、この機会に文章を書くと言う事を仕事にしたいと考えました。

貯金は実はそんなにありません。祖母の葬儀や、一周忌などの費用で大分かかったのもありますが、ストレスを発散するためにたくさん買い物をしてしまっていたので。貯蓄などを解約しても、おおよそ100万くらいでしょうか。色々な支払いを考えても、本気で頑張らなければ半年持つかもたないかです。

そう考えると、また不安がやって来るのです。ですがここで不安に負けても言った言葉は取り消せませんし、取り消せたとしても、これから先も同じことを繰り返すだけでしょう。うつになりかけている今から、実際にうつを発症してしまうかもしれません。実際に、親族にうつ病で苦しんでいる人がおり、相当苦労している姿を見ると、なるまえに辞めねば、と思ったのです。

なのでまず目標を決める事にしました。ライティングの仕事でひと月10万を稼いでみる、というもの。大体10万あれば、支払諸々が何とかなりますし、もっと頑張れれば貯蓄もする事が出来るでしょう。見通しは甘いかもしれませんし、今も甘い考えでいるのかもしれません。ですが恐らく、自由に色々に手を出せる機会は、もうないと思いました。

退職をチャレンジするための機会だと考える

実は、この記事を書いているのも、その不安を自分の中で消化するための事でした。頭の中で悩むだけでは、それこそ堂々巡りで「怖い」以外の何も浮かんでこなかったのです。ですが書いている内に自分の考えを整理する事が出来ました。

退職は不安です。書いている今も不安です。ですが、出来ないと思っていた新しいチャレンジをするための機会でもあるのです。正社員で働くことが怖ければ、アルバイト、パートと体を慣らして行けば良い。ライティングの仕事をしたいならば、足りない金額をアルバイトやパートで補えば良い。怖いからと足踏みをするだけでは、何も変わらない。

「あなたはそれで幸せですか?」

お昼休みに、スマホで見た記事にこう書かれていました。私は今幸せだろうか。泣くほど辛いのに無理して仕事をして、夜も眠れなくて、楽しいのではなくストレスを発散するためにお金を使う事が幸せなのだろうか。そう考えたら、私はそういう面で幸せではないのだな、と思ったのです。今まで苦しいしか考えられなかった思考を、「これはチャンスだ」と切り替える事が、まずは第一歩なのだと思いました。