観光業の仕事をしてみたいあなたへ

私は十年ほどドライブイン施設で働いていました。ドライブインってどんな仕事をするんだろう?って人へ、私の経験したドライブインの仕事について書いていこうと思います。

一日の流れ

ドライブインの始業時間は基本的には普通の仕事と同じ8時から始まります。開店時間は色々あるでしょうが、仕事の時間はそれ程変わりません。もちろん、忙しい日だったりとか、早朝のお立ち寄りの予約や、お弁当の配達などがあれば、朝の5時とか6時とか早い時間の出勤もあります。ちなみに料理長は朝の3時とか4時に出勤して準備していました。

そうして出勤したら、まずはレジにお金を補充し、商品を棚に並べたり、掃除をしたり。物によっては試食も出したりしつつ店を開きます。私が働いていた場所は朝の8時が開店時間でした。そんな時間に「お客様なんて来るのかな?」って思いませんか?これが意外といらっしゃるんです。

観光バスのお客様は大体予約を頂いた時間通りなのですが、個人で旅行をされているお客様や、時間が空いたからと来店してくれる観光バスのお客様とか。店が開いているとひょいと覗いていってくれるんですよね。そうして接客をしていると、11時くらいから食事の予約のある観光バスの受け入れが始まります。

基本的にお食事の予約は11時~14時までの間が多いですね。高速道路が混んでいたり、他の観光施設の立ち寄りに時間が掛かっていたりすると時間がおして、14時過ぎる事もあります。ちなみにお昼を受け入れている最中ですから、自分達のお昼は後回し。もしくはお昼の受け入れが始まる前に食べてしまいます。忙しい時は15時、16時はザラでした。

そうしてお昼の受け入れが終わり、自分達の休憩が終わるか終らないかくらいの頃にお立ち寄り予約のお客様がいらっしゃいます。お昼過ぎは個人のお客様の数も増えてくるので、結構忙しいです。16時を過ぎるとようやく落ち着いてくるので、店内の掃除をしたり、旅行会社に予約の人数の確認するなどの翌日の準備をして17時頃閉店。

こちらも予約の状況によって17時以降まで開けています。お立ち寄りのバスが遅れた時で19時まで掛かった時もありました。そして閉店してからレジのお金を集めて計算、日報を出して一日の仕事が終わります。

忙しい季節と忙しくない季節

ドライブインの仕事をしていると、ツアーの団体様を相手にしているため、忙しい季節と忙しくない季節が極端です。私の働いていたところの場合は、桜の観光がメインとなる春の季節、果物狩りの観光がメインとなる夏・秋の季節が忙しかったです。

忙しさはずっと続くわけではなくて、2週間くらいで忙しさのピークは収まります。これは単純に、桜が散ったり、果物がなくなったりするからですけどね。ですがこの2週間ほどは休みもろくにとれないくらいの忙しさです。仕事中の休憩時間もそうですが、普通に休日が取れない。休日を取ったら回らないくらいの忙しさです。なら働く人数を増やせば良いのではないか、と思うかもしれませんが、忙しいからとパートさんを多く呼ぶと、上の方から経費云々で色々と言われますし、難しいものです……。

そして忙しい季節が終わると、本当に「ストーン」と抜けたように静かになるんですよ。特に冬ですね。観光の目玉になるものがないので、予約がない日が連日続く事もあります。この間大変なのが営業マンの人たちで。何とかお客様を呼べないかといつも頑張って飛び回ってくれていました。

本当に忙しくない季節は暇過ぎて、やる事が次第になくなってしまって。逆に苦痛になるくらいです。そんなに暇ならば店を閉めていた方が水道光熱費のために良いのでは、とも思うのですが、営業日が年中無休となっておりましたから、そういうわけにもいかなかったんですよね。もちろん、お正月もやっています。やはりお客様はあまりいらっしゃいませんが、それでも毎日お店を開いていました。

ドライブインの仕事は楽しいのか?

仕事に楽しいも楽しくないもない、と言われるかもしれませんが、毎日する事ですから、どうせなら楽しい方が良いですよね。ドライブインの仕事は楽しいか、楽しくないかと聞かれたら、私は「楽しい」と答えます。仕事自体は毎日大体一緒ですが、観光で来るお客様を相手にするのは楽しいです。旅行にいらっしゃるのは生活に余裕がある方ばかりですから、にこにこと笑顔の方が多いですし、色々な県の方が多いので新鮮ですし。たまに台湾の方のお客様もいらっしゃったりで、普通なら言葉を交わす事がないだろうって方とも話せるのが嬉しいです。(ちなみに外国のツアーは添乗員さんが日本語を話せるか、通訳の人がいっしょにいるかどちらかです)

あと、ドライブインなどの観光業は大体が不定休です。土日の方が忙しくなるので平日休みの方が多くなります。平日休みは店が空いていたりとか、病院が気軽に行けるとか、結構便利。希望した休みも他の人とかぶらなければ取りやすいですし。

もちろん楽しいばかりではなくて、繁忙期には休憩時間がちゃんと取れない事もあるとか、短い時間で何倍も忙しさを感じるとか、身体の方はしんどい事も多かったです。お休みの方も、土日休みの友達と一緒に遊べないとかもあったり。それに、観光客を相手にしていますから、お客様が来なくなれば職場自体が廃業になったりする可能性もあります。現に観光施設の廃業は増えていますしね。そう言う意味では不安もあると言えるかもしれません。

ですが、旅行に行く側ではなく、旅行を受け入れる側という経験が出来て良かったと私は思っています。接客の仕方、品物の出し方、レジの打ち方、料理の作り方に出し方、電話の取り方に予約状況の確認、当日の店の回し方などなど、色々な仕事でも役に立つ事が詰まっています。この仕事を経験して無駄ではないと言える事ばかりでした。もし観光業で働いてみたいな、と思う人がいたら、まずは飛び込んでみるのもいいのではないかな、と思いますよ。